耳道内視鏡

耳道内視鏡の紹介
まずは耳の断面から見てみましょう。
​我々人間と違いL時になってます。
​さらに、鼓膜までの距離が長いのです。
入り口から垂直耳道、曲がったところから水平耳道、そして鼓膜です。

通常の耳鏡で見えるのは垂直耳道がメインです。
​また、耳掃除ができるエリアも垂直耳道までです。
  • 耳道内視鏡、中央と右は通常の耳鏡です。

  • 長さも違いますね。光の量、画角が通常の耳鏡とは違います。
    ​この違いは特に細く付近の水平耳道を確認したり、処置する場合に力を発揮します。

耳道内視鏡の専用鉗子です。
​これを内視鏡の穴に入れ、画像を確認しながら処置ができます。
​通常の耳クリーニング法では垂直児童の汚れを取るのがやっとです。
耳道壁にくっついた塊や、鼓膜付近の溜まりは鉗子を使用して取り除けます。

耳道内視鏡の優れているところ
  • 光源量が強い
  • 画角(視野)が広い
  • モニターで拡大して観察、処置ができる
  • 鉗子が挿入できる(レーザーも挿入できる)・・処置が可能
  • 鼓膜まで届く
内視鏡で耳の中を覗いてみましょう

一見同じ症状に見えても中を内視鏡で確認してみると、様々な変化が起こっています。
これらは全て

  • 耳が痒い
  • 首を振る
  • 耳が臭う
  • 耳掃除をしてもすぐに溜まる

などのよく遭遇する症状の耳内画像です。

  • 慢性外耳炎の耳の中です。
    ​掻く刺激と、耳内の環境悪化に伴い耳道が腫れて狭くなっています

  • 一見綺麗に見えたのですが・・鼓膜から水平耳道にかけて毛と耳垢の塊があり、これが痒みの原因になっていました。
    このような場合は耳掃除では除去できません。
    ​鉗子を使用して引き出すことが必要です。

  • 硬い耳垢です。
    ​このタイプは通常の耳掃除では綺麗になりません。
    耳垢を溶解するクリーナーを使用します。
    ​除去困難な場合は内視鏡を使用して取り除きます。

  • 耳道内に落下した毛。
    毛が生えているわけではなく、耳の出口付近の毛が耳内に落下します。
    これは不快感や耳垢の増殖に影響を与えます。
    ​内視鏡での除去が有効な場合もあります。

  • 繰り返す外耳炎で耳道壁がボコボコと不整になっています。
    耳垢腺という分泌組織が増殖し、より耳垢や細菌の温床になります。
    ​このような場合はしっかりと鼓膜まで耳垢を除去し、菌の種類を特定し、適切なお薬を使用して管理します。
    ​中耳炎を併発していることが多いケースです。

  • 耳内にポリープが増殖しています。
    適切な管理ができないと徐々にポリープが大きくなり耳道を塞ぎます。
    犬種としては「A・コッカー」「シーズー」などでよくみられます。
    ​内視鏡下で半導体レーザーにて蒸散することで耳道を広げることができます。

  • ベトベトした耳垢です。
    このような場合、耐性菌などの感染症が起こっている場合と、鼓膜が破れて中耳炎になっている場合が考えられます。
    ​鼓膜の確認と細菌培養、場合により鼓室内洗浄などを行います。

  • 綺麗な耳道ですが・・鼓膜手前に耳垢が認められます。
    不快感がある場合、鉗子による除去が必要です。

    ​このように耳の奥は見えない場所ですが様々な変化が起きています。
    闇雲に耳掃除を行うと、耳道壁を傷つけたり、汚れを耳奥に押し込んだり、残った汚れと洗浄液がさらに悪化を招いたりと、快適な耳内環境が保てない場合があります。

気にする程度は犬種、性格などによってかなりばらつきがあります。
例えばフレンチブルなどの我慢強い犬種(闘犬の気質がある)は症状がひどくない場合でも外耳炎や中耳炎になっていることがよくあります。
​逆に、敏感な犬種は些細なことでも症状がすぐに現れるため飼い主さんも気がつきやすいです。
言葉の話せない動物の不快感を一早く見つけてあげれるのは飼い主さんです。
​我々と協力して少しでも快適な耳内環境を作っていきましょう!

当院では麻酔下での耳内洗浄も行なっております。
痛みや不快感を軽減し、より詳しい状況把握と治療ができます(完全予約制)